2020年7月16日木曜日

みんなで健康になろう!~横浜国立大学 Be Fine!プログラム

新型コロナウイルスの影響により、春学期の講義がすべて遠隔講義(オンライン講義)のかたちで開講されることになり、5月7日から遠隔講義が開始してもうすぐ3カ月。

5月下旬に、伊藤賢一(群馬大学)らの共同研究グループが、小学生の児童を持つ保護者を対象にしたウェブ調査の結果から、オンライン学習が高い疲労を引き起こしている可能性があることを示しましたが、オンラインでの学習によって疲弊してしまっているのは、子どもたちだけではありません。
★オンライン学習、長時間利用は疲労度高い可能性-Resemom

授業が本格的に始動しはじめ、さらに3カ月目ともなると、学生たちが抱える授業課題の量も多くなり……ますます、ブラウザに向き合う時間が、長くなってきます。
そのような中で、パソコン・タブレット等の機器の不具合の訴えが多くなってくるだけでなく、学生たちのなかにも心身の不調を訴える学生が増えてきているように思います。

そのような状況の中、「なんとか学生たちの健康を守ろう!」と立ち上がった、横浜国立大学有志の先生方が「「横浜国立大学Be Fine!プログラム」というプログラムを始動しました。
TwitterとInsgtagramで定期的に情報を発信しています。

第1弾は、横浜国立大学教育学部の森野かおり講師(音楽)と、高橋和子名誉教授(保健体育)によるコラボレーションによる、「美しすぎる朝のラジオ体操」こと、「YNU朝のラジオ体操」です。



「朝のラジオ体操」ですので、定期的に、配信されています。

第2弾は、学部長含む、保健体育オールスターズ(全員ではないですが)の皆さんと、泉教授(教育学部・特別支援教育)と、鶴見教授(経営学部)による「国大生!健康になろう!」シリーズ。

まるで、ラジオのトーク番組のような梅澤教授×木村学部長(教育学部・保健体育講座)「理論編」(①)からはじまり…


NHK学校放送番組と、スポーツ・バラエティ番組を足して2で割ったような、おもしろくて、ためになる(いわゆる、「おもため」)「実践編」が3本続きます。

まずは、「ストレッチ編」(②)
ここでは、肩まわりのストレッチが中心にとりあげられています。


この「ストレッチ編」の時点で、終始、鏡に映しだされている赤い学部長に気がとられすぎて、ありがたいストレッチ法の教えがまったく頭に入ってこなかったのですが…
「体幹トレーニング編」(③)になると、さらにバラエティ要素が強くなっている気がいたします。(なんか、動画の尺も長くなってるし…)

さらにつっこむと、この動画の冒頭だと「②体幹トレーニング編」になってるんですよね。もともと「ストレッチ編」がなかったところにあとから挟み込まれたんでしょうか…謎です。

そして、④(…のはずだけど、動画中では、③になっている)「腕立て伏せ編」(④)!
ここに至ると、完全に、バラエティ番組です。
なんとかDASHとか、びっくりショーとか、そういうやつです。たぶん。


少なくとも、ふつうに学生が見て「あ、これならできそう」と思える範囲は前半のはじめの方だけ、という感じがするんですが、みんなそうでもないのでしょうか。

たしかに思い出してみると、わたしの授業でも「気分が鬱になってきたので、筋トレでなおしました!」と言っている学生はいたので、そういう学生には、後半も役立つのかもしれません……すくなくともわたしには、ダイブボンバー・プッシュアップはできません、先生…。

「横浜国立大学Be Fine!プログラム」によるコンテンツ配信は、これからもさらに増えていくようなので、ぜひ、皆さんもチェックしてみてくださいね。

2020年4月3日金曜日

2020年度が始まりました

2020年度がはじまりました。

新型コロナウイルスの影響で、不安な日々が続いております。
横浜国立大学も、授業開始が5月7日に延長され、新たな学事日程が配布されました。
4月4日から5月6日までは、大学構内への学生の入構も、原則禁止ということで、とても静かな新年度を迎えています。


学生の皆さんにおかれましては、このようなときだからこそ、ふだんは見ないような書籍や論文を見てほしいと思います。
3月末に発刊された、本研究会の研究開誌『横浜国大国語教育研究』第45号を見てみてほしいのはもちろんですが、もうひとつ、おすすめしたいのは、3月中旬に発刊された『古典教育デザイン』第4号。


昨年2月に開催された、本学名誉教授・三宅晶子先生の退職記念シンポジウムでの鼎談「これからの古典教育」や、そのときにご講演くださった鈴木彰教授(立教大学)による特別講演「二度目からの『平家物語』―いくさなき世の教材として」を読むことができます。

『横浜国大国語教育研究』第45号では、新型コロナウイルスの感染による、学校や教育への影響について、次のような「巻頭言」が掲載されています。

外出自粛が求められる今の時期だからこそできることを、この状況をポジティブに捉えながら、実践していきたいと思います。


* * * * * 
レジリエントな学習社会をつくる/石田喜美(横浜国立大学)

 「平成」から「令和」へと元号が変わって最初の年度となる西暦二〇一九年度(平成三一年度/令和元年度)は、日本社会にとって、未来に向けたチャレンジが多く求められた年度であったように思う。今年四月から、小学校ではついに新学習指導要領が全面実施されるのに伴い、今年度は、学校教育が新たな時代を迎えるための最後の準備期間として、官民ともに様々な動きが生じていた。一方、令和元年十月に生じた千葉県内の豪雨災害、そして昨今、急速に世界に広がっている新型コロナウイルスの感染とそれに対する政治的対応は、あらためて、私たちに、「学校の役割とは何か」「学ぶとは何か」といった問題を突き付けてきている。

 現在、私たちが直面している挑戦的な課題のひとつは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための臨時休校措置によってもたらされた。文部科学省からの依頼に応じて、多くの自治体が、三月二日から小中学校を臨時休校とすることになったわけだが、この臨時休校は、私たちに、「学校外での学習」とそれに対して学校ができることを再考する機会をもたらした。残念なことに、二月二八日に文部科学省から各教育委員会等に示された文章では、「ブレンド型学習(blended learning)」など、アクティブ・ラーニング時代におけるICT活用などの議論をほとんど踏まえておらず、むしろ、教科書を中心とした一斉指導を前提とし、学校外での学習をそれに対する補習(復習)位置付けているように思われた。他方、この臨時休校依頼を受けて、多数のEdTech企業が休校中の児童生徒を支援するための取り組みを決定し、三月二日には、それらの情報をまとめたポータルサイト「#学びを止めない未来の教室」(経済産業省)などが公開された。
 
 これらの動きとそれを用いた学校外での学習活動は、新学習指導要領が全面実施される四月以降、学校におけるICT活用を後押しし、新たな「学び」の姿を実現する大きなパワーになる可能性を秘めている。またこのような状況の中、社会全体が、学校のみに依存しない学習の在り方を想像するようになっていることの意義も大きい。予測不可能な時代はまだまだ始まったばかりだ。だからこそ、これまであった学校や学習の「当たり前」を見直し、なにがあってもしなやかに生き延びうるレジリエントな学習社会の実現に向けて、想像力を駆使していく必要がある。まさに今が、その時なのだ。

(いしだ・きみ/横浜国立大学)

2020年4月1日水曜日

『横浜国大国語教育研究』第45号が発刊されました

2020年3月30日に、オンライン・ジャーナル『横浜国大国語教育研究』第45号が発刊され、横浜国立大学リポジトリにて公開されました。



今号には、本学名誉教授でもある府川源一郎先生(現・日本体育大学)が、実践報告「分岐展開型作文の可能性―「お話し迷路」という場の設定―」を寄稿してくださっています。

ここ数年、石田喜美准教授が教育学部の授業「初等教科教育法(国語)」で実施されてきた、リアル脱出ゲーム×漢検「不思議な漢字洞窟からの脱出」を用いた試みに関する論考も掲載されております。(石田喜美(2020)「ゲーム型教材の分析を通じて主体性育成について考える―リアル脱出ゲーム型漢字学習教材「不思議な漢字洞窟からの脱出」を用いた実践事例から―」)
本学での授業の一端を知るという意味でも、面白く読んでいただけるのではないか、と思います。

その他、例年どおり、国語教育ゼミ・書写書道ゼミの学生による卒論報告・修論報告も掲載されています。
今年も、いろいろなアプローチから、国語教育・書写書道教育について考える興味深い報告が集まりました。ぜひご覧ください!

2020年2月17日月曜日

【開催中止】2019年度 卒論修論発表会

横浜国立大学教育学部および大学院教育学研究科の国語領域の卒論修論発表会は、開催中止となりました。
楽しみにしていてくださった方、誠に申し訳ありません。


2019年度 国語領域 卒論・修論発表会

日時  2020年2月28日(金) 13:00~15:40
場所  横浜国立大学教育学部第6講義館201号室
プログラム
13:00  開会の辞

〔修士論文発表〕
13:00-13:40 
「戦後日本における「異常」な女の文化研究―「コンビニ人間」を中心に―」(一柳ゼミ)

〔卒業論文発表〕
13:40-14:00 
「手書き文字が人に与える印象に関する研究―教育学部生を対象にした調査をもとに―」(青山ゼミ)
14:00-14:20 
「『伊勢物語』研究―『古今和歌集』との比較から見る物語化の特色―」(三宅ゼミ)

(14:20-14:30 休憩)

14:30-14:50 
「戦国時代のスパイと攻城戦」(高芝ゼミ)

14:50-15:10 
「三島由紀夫「仮面の告白」論―園子の存在を中心に―」(一柳ゼミ)

15:10-15:30 
「小学生を対象とした読書習慣の形成におけるスケジューリングの機能」 (石田ゼミ)

15:30 閉会の辞

15:40   終了

2020年1月13日月曜日

「矢代貴司 ちいさな朗読会 in 横浜」開催しました

2020年1月11日に、横浜国立大学教育文化ホール・小会議室にて、「矢代貴司 ちいさな朗読会 in横浜」を開催いたしました。



横浜国立大学教育学部では、数年前より、2年次の必修科目として、一連の「スクールデー実践」科目が開講されています。
国語領域では「スクールデー実践A(教材研究)」の一環で、読み聞かせの実践を行っているのですが、その読み聞かせのゲスト講師として、矢代貴司先生(ちゃいるどはうす森のほいくえん・園長)にお越しいただいているのです。

昨年度、矢代貴司先生による読み聞かせの講座を実施していることをご報告したところ、近隣の先生方からの反響があり、本年度は、地域の先生方にもひらかれたかたちで、「読み聞かせ講座」が開催されました。
その時の様子については、参加してくださった先生のおひとりがブログにまとめてくださっていますので、こちらをご覧ください。

★読み聞かせについてのワークショップを受けてきました!- SENSEI×DESIGN-LABO

そして今回は、はじめての試みとして、矢代貴司さんによる「ちいさな朗読会」の開催が実現。
定員10名というその名のとおり「ちいさな朗読会」でしたが、お休み中であるにもかかわらず、神奈川県内の小学校の先生方を中心に、8名の方にご参加いただきました。

今回の「ちいさな朗読会」では、以下のリストの中から参加者のリクエストを受けつけるかたちで演目を決定されたそうですが…


当日の「ちいさな朗読会」で読まれたのは、以下の作品でした。

五味太郎『ん・ん・ん・ん・ん』



日高十成+斎藤隆夫『かえるをのんだととさん』



佐野洋子『あのひの音だよ、おばあちゃん』より抜粋



岡田淳『ふしぎの時間割』より「暗くなりかけて~だれがチーズを食べたのか~」



岡田淳『フングリコングリ~図工室のおはなし会』より「フングリコングリ」



筒井康隆「妻四態」(『串刺し教授』所収)



別役実『けものづくし―真説・動物学体系』より「ライオン」



すべて小学校で読み聞かせ・朗読したことのある作品ばかりということですが、そのジャンルの幅広さにあらためて驚かされます。
夫の一人称語りで展開していく「妻四態」は、まるで落語のような楽しさがありますし、『けものづくし』になると、もはや「読み聞かせ」とか「朗読」とか…さまざまなジャンルを超えて、「プレゼンテーション芸」(?)という新しい話芸のジャンルを切り開いたような感じもあり、「本に書かれている内容を、声にだして表現する」という同じ活動のはずなのに、まったく違うパフォーマンスの舞台を観に行ったかのようでした。

参加者の方々にも大変に好評で、「クラスの子どもたちが絶対に喜びそうだから、今度、自分でも読み聞かせしてみよう」というような感想から、このような読み聞かせの研究会にもっと参加してみたいという声まであったようです。

矢代先生、年明けから、すてきな時間をご提供くださり、ありがとうございました。


2019年11月2日土曜日

横浜国立大学国語日本語教育学会研究発表会のお知らせ


2019年12月1日(日)に、横浜国立大学国語日本語教育学会の研究発表会が開催されます。こちらのページにもプログラムが掲載されております。

今年は、初の試みとなるシンポジウム「言葉による見方・考え方を働かせて考える『令和』―書写書道と漢文の視座から」も開催される予定です。

会員に限らず、どなたでもご参加いただけますので、皆さま、ふるってご参加ください!



令和元年度 横浜国立大学国語日本語教育学会
総会・研究発表会

日時:令和元年12月1日(日) (13時より受付)
学会総会    13時20分より
研究発表会   13時40分より
シンポジウム  16時より
親睦会     17時30分より(18時30分終了予定)
場所:横浜国立大学経済学部2号館211教室(N4-③)

◇研究発表会 (13:40~15:50)
 日本語学習者の語り文における構造と表現の習得階層
   ―日本語母語話者との比較から―         横浜国大大学院生 代 弟
 依頼メールにおける中国人日本語学習者と日本人評価者の重点差異に関する一考察
―PAC分析の手法から―            横浜国大大学院生 叶 国青
◇休憩 (14:40~14:50)
助動詞「たり」の中世期における意味用法の変遷   横浜国大大学院生 能重 雄飛  
 国語科と理科の実践をつなぐ   横浜市立白幡小学校教諭 小水 亮子・尾方 優祐
横浜国立大学准教授       石田 喜美
◇休憩 (15:50~16:00)
◇シンポジウム (16:00~17:00)
 言葉による見方・考え方を働かせて考える『令和』―書写書道と漢文の視座から
 司会 横浜国立大学教授  髙木まさき
登壇 横浜国立大学教授  青山 浩之
横浜国立大学准教授 高芝 麻子

2019年10月18日金曜日

教室から:マンガのセリフによる自己理解ワークショップ

横浜国立大学教育学部では、1年秋学期から、領域別の学習がスタートします。
1年生にとってはじめての領域別授業となるのが、フィールドワーク科目「教育実地研究」。
「教育実地研究」では、領域ごとに、学校現場のフィールドワークを行い、現場での観察や体験と振り返りを通じて、教職について考えていくことをねらいとしています。

今年度の「教育実地研究」では、秋学期を通じて行われるフィールドワークの前に、プレワークショップとして、「自分が、今、大切に思っていることは何か」「自分がこれから、大切にしていきたいと思っていることは何か」など、自分にとってのコアとなる信念や価値観について振りかえるワークショップを実施しました。

そんな自己理解のためのワークショップを企画してくれたのは、「マンガを使ったキャリア支援」をテーマに卒業論文のための研究を進めている4年生。
今回、彼が、教育学部の1年生を対象に考えてくれたのは、「マンガのセリフ」を使って、自分の信念や価値観について振り返るワークショップでした。


川島裕子(編)『〈教師〉になる劇場―演劇的手法による学びとコミュニケーションのデザイン』(フィルムアート社)で紹介されていた、「教育格言」のアクティビティをベースに考えられた、「自分の心にささるマンガのセリフ」を探し、それについて語るワークショップ。

実践の前には、1年生たち自身と4年生から「自分の心にささったマンガのセリフ」が募集され、計31個のマンガのセリフが集まりました。

1年生から集まったセリフの一部を紹介すると、こんな感じです。

この世で全てを犠牲にする価値のあるものが"家族"以外に存在すると思うか?(『文豪ストレイドッグス』)

世界は平凡か?未来は退屈か?現実は適当か?安心しろ、それでも生きることは劇的だ!(『メダカボックス』)

一位と最下位との差なんて大したことねーんだよ  ゴールすることとしないことの差に比べりゃ(『宇宙兄弟』)

あいつは憎んで覇者となるよりも、愛して滅びる道を選んだんです(『BANANAFISH』)

いちばんいけないのはじぶんなんかだめだと思い込むことだよ。(『ドラえもん』)

一緒に強くなろう! 僕らはチームメイトなんだから!(『送球ボーイズ』)

人間は転んでも何度だって立ち上がれる(『ハチミツとクローバー 』)

未来の私達が描く幸せはきっと私達の「今」なんだろう(『orange 』)

「「疑わないこと」それが「強さ」だ」(『ONE  PIECE』)

こんなかんじで集まった31個のセリフ(『ドラえもん』率が若干高め)を、A4判の用紙に拡大コピーして教室中にはり、教室をぐるぐる歩きまわりながら、「自分の心にささるセリフ」を探していってもらいました。


その後、ペアワークで、そのセリフを選んだ理由や、そのセリフから思い出す自分自身にとっての過去のエピソードなどについて語ってもらい、ペアで話したことをもとに、ワークシートに自分自身がペアワークで語ってきたことをまとめて記入。
その後、自分自身がこれから大切にしたいことを、言語化して記入してもらい、また違う相手とペアになって、自分が書いたストーリーを「モノローグ」で語ってもらいました。

「モノローグ」で語ったあと、語りを聞いた相手から、「モノローグを聞いてみて、語り手がどのような人であると思ったのか」を話してもらい、最後には7人ずつのグループで、聞き手からのフィードバックを受けて、自分自身の「モノローグ」と自分自身について気づいたことを共有してもらう…という流れです。

「教育実地研究」では、次回からついに、学校でのフィールドワークが始まります。
1年生たちには、あらためて、自分自身について考えたことをもとに、教育にかかわること、教師として働くこと、学校とかかわることについて考えたうえで、自分なりのフィールドワークの視点を考え、実際のフィールドワークに臨んでもらえるといいなぁ、と思っています。