2022年7月18日月曜日

教室から:学習マンガの読み比べ@マンガピット(教職大学院「国語の授業デザイン論と教材デザイン論」

教職大学院授業「国語の授業デザイン論と教材デザイン論」の一環として、「マンガピット」での出張講義を行ってきました。

マンガピットは、2022年3月にオープンしたばかりの、マンガ×学びをテーマにした施設です。

教職大学院の授業は、基本的に、1回あたり2コマ(90分×2コマ=180分(3時間))。そのため、15:00集合・18:00解散の予定でスケジュールを組みました。

具体的なスケジュールはこんな感じです。

はじめに、集まった人たちで「わたしとマンガ」というテーマで自己紹介をしあったあと、その話の流れで、「学び×マンガといえば?」というテーマで自由にいろいろ話しあいをしました。

このフリーディスカッションでは、かなりいろいろな話題が出ました。

国語科の授業において読解対象の理解を促すための副教材として用いられるマンガ(例:「源氏物語」を理解するための副教材としての大和和紀『あさきゆめみし]』)や、マンガによって誰かから離される「話」をよく理解できるようになったといったエピソードのみならず、「LLマンガ」の話、『マンガノミカタ]』で紹介されているようなマンガ表現の読み方についての話まで出てきました。

その後、「これも学習マンガだ!」のプロジェクトや、「マンガピット」の蔵書内容についてご案内いただいたのち、本日のメインの学習活動として考えていた「学習マンガの読み比べ」を行いました。

今回取り組んでみたのは、「伝記マンガ」の比較。

「マンガピット」の蔵書には、いくつかの特徴があり、それを言い尽くすことは難しいのですが、「伝記マンガ」に関しては次のような2つの大きな特徴があるといえます。


(1) 複数社が発行する学習まんがシリーズを揃えていること。

(2) 「ストーリーマンガ」として発行されている「伝記マンガ」も所蔵されていること。

そのため「スティーブ・ジョブズ」に関しては、なんと4作品の比較が可能(!)です。

今回は、時間が限られていることもあり、そんなにたくさんの比較をすることはあきらめて、2社くらいで比較ができそうな歴史上の登場人物をとりあげて、比べ読みをしてみることにしました。

その結果、今回見てみることになったのは、<strong>「ジャンヌ・ダルク(2作品)」「宮沢賢治(2作品)」「ヘレン・ケラー(4作品)」、「紫式部(2作品)」</strong>の4人。

今回はこの4人のみを取り上げましたが、「伝記マンガ」ひとつとってもまだまだ切り口はありそうですし、「学習マンガ」に広げてみると、さらにやれることがたくさんありそうです。引き続き、教職大学院での授業を含め「学習マンガ比較」をいろいろな人たちと、継続的にやってみたいと思います。

2022年7月6日水曜日

ついに最終号!『横浜国大 国語研究』第40号が発刊されました

 1982(昭和57)年に設立された、横浜国立大学国語日本語教育学会が、2021(令和3)年5月をもって、解散することとなりました。

学会解散にともない、学会代表の高木まさき先生より、学会誌『横浜国大 国語研究』の最終号の企画が提案され、このたび、その最終号が発刊されました。


『横浜国大 国語研究』第40号


最終号ということで、現在、横浜国立大学国語領域・日本語教育領域に所属している教員はもちろんのこと、長年在籍されてきた先生方にご寄稿いただいたご論考、大学院生や附属学校教員としてかかわられた方々の論文・随想など、関係者の思いのあふれた…そして、豪華な1冊となっております。

このたび、全文が、横浜国立大学リポジトリで公開されましたので、ぜひご覧くださいませ。









2022年6月3日金曜日

教室から:「高校1年生までに読み手・書き手として親しんでおいてほしいジャンル」

横浜国立大学教育学部2年生の必修授業「初等教科教育法(国語)」では、「読書指導」についても学びます。

今回の「読書指導」の授業では、はじめに、次のような問いについて考えてもらいました。

「あなたは高校教員。新しく受け持つ高校1年生が、読み手や書き手として親しんでおかなければならないと考えるジャンルは何ですか?」

この問いは、エリン・オリヴァー・キーン(2014)『理解するってどういうこと?:「わかる」ための方法と「わかる」ことで得られる宝物』(新曜社)のなかで、著者が、高校1年生を担任している先生方に向けて発したことのあるものとして紹介されている問いを参考にしています。
学部生たちは、実際にクラスを担当していることがあるわけではないので、あくまで、高校教員になったつもりで、中学を卒業し高校に入学するまでにどんなジャンルに親しんでおいてもらいたいか、を考えてもらいました。

2クラス計60~70名くらいの学生たちが考えた答えは、次のとおり。
もちろん、まったく回答していない学生たちもいます。



「文学的文章」「説明的文章」…のように、『学習指導要領』に出てきている文言を並べることしかできない学生もいれば、「人間関係を題材にした本」「世界のことがわかるノンフィクション」のように、自分なりに、高校1年生に読んでおいてほしい本のことを考えながら書いてくれる学生たちもいます。

『学習指導要領』の文言を並べることしかできない学生たちは、教科教育法の授業で問われたときの「無難」な回答として、これを書いているのかもしれない、と思うと少し悲しい気持ちになりますが、一方で、自分なりに考えて回答してくれる学生たちもいるのは、とてもうれしい。

そして、自分なりに考えてくれた学生たちの回答からは、いろいろなことを考えさせられます。

今回、わたしが考えさせられたもののひとつは、「週刊少年ジャンプ」。



率直な感想として、(「週刊少年ジャンプ」が「ジャンル」かどうか、という問いはおいておくとして)「なるほど。たしかになー」と、すごく納得しました。

事実、日本のなかで、これから高校生活をはじめて、友達を作っていこうとうい段階になって、『週刊少年ジャンプ』の作品になじんでいて、友達から「あれ、見た!?」と言われたときに、「見た、見た!あれさ~…」と語ることのできるリテラシーは、学校生活を送っていくうえで、必要不可欠な感じがします。

あとは、意外に多くてびっくりしたのが、自己啓発本やビジネス書。



わたしの周りだと、まだまだ、自己啓発本やビジネス書に対する偏見も根強いので、逆に、「高校1年生までに親しんでおいてほしいジャンル」として、学部生たちが挙げるジャンルのなかに入ってくることには、びっくりします。

クラスごとの違いもあって、面白かったので、秋学期も同じ試みを続けてみようかな、と思っています。



 

2022年3月22日火曜日

教室から:「漢文学の先生といく漢詩の音楽ゲーム」動画公開されました!

 以前、こちらの記事で報告しておりましたとおり、横浜国立大学教育学研究科高度教職実践専攻(教職大学院)の授業「国語の教材デザイン論と実践Ⅱ」にて、高校国語科における漢詩学習と結びつくようなゲーム実況動画の作成を試みておりました。

(過去記事)教室から:『陽春白雪~Lyrica~』のゲーム実況で動画教材づくり

本日、ついにその動画が、横浜国立大学公式Youtubeチャンネルにて公開されました!



ぜひ、ご覧いただければ幸いです!
なお、こちらの動画は、教職大学院「報告会・報告書」のページからもご覧いただくことができます。

2022年2月24日木曜日

2021年度卒論修論発表会


2021年度の卒論修論発表会を、ハイブリット(対面+オンライン)で開催することになりました。

日時 2022年3月5日(土)10:30-15:10
会場 オンライン(Zoom) 

プログラム

10:30 開会の辞/本日の進行について(司会)


〔修論発表〕

10:40~11:20 「多様性を活かした協調学習による高次読解力の育成に関する研究」(石田研)


〔卒論発表〕

11:20~11:40 「手紙における手書きの効果と価値」(青山研)

11:40~12:00 「ICT活用による音声言語能力を高める学習指導の提案-小学校国語科「話すこと・聞くこと」の視点から-」(石田研)

12:00~13:00  (昼食休憩)

13:00~13:20 「室町時代の能本・謡本における濁点表記状況について―世阿弥自筆納本・観世宗節自筆謡本を中心に―」(古田研)

13:20~13:40 「『剪燈新話』「水宮慶会録」と『金鰲新話』「龍宮赴宴録」の比較研究」(高芝研)

13:40~14:00「澤村伊智『ぼぎわんが、来る』論」(一柳研)

 

14:00~14:10 終わりの言葉/閉会の辞 


ご関心おありのかたは、kimish330★hotmail.com(※★を@に変更)にお問い合わせください。 

2022年1月26日水曜日

2022年1月10日月曜日

教室から:『陽春白雪~Lyrica~』のゲーム実況で動画教材づくり

 2021年度より、横浜国立大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻(教職大学院)・「教科教育・特別支援教育プログラム」& 横浜国立大学大学院先進学環が同時スタートしました!

そんなわけで、さっそくですが、(非公式な形ではありますが)教職大学院&先進実践学環のコラボレーションプロジェクトを実施しています。

教職大学院内の授業科目「国語の教材研究論と実践Ⅱ(文学・テクスト)」では、前半に、「都市論」の視点から近代文学を探求し、実際に現地踏査を行う学習活動を行ったあと、後半では、国語(科)教育で扱われる文学作品や関連するメディアテクストを題材に、教材開発の実践を行っているのですが、その後半の授業として、先進実践学環ご担当の高芝麻子先生(漢文学)をゲスト講師としてお呼びした「教材開発」の実習を行いました。

高芝麻子先生と「ゲームさんぽ」しながら、漢詩×音ゲー「陽春白雪~Lirica~」のゲーム実況をするかたちで、高校生たちが、高校・国語科で教材として扱われる漢詩についてより深く理解したり、漢詩に興味を持ったりできるような…そんな教材動画の開発を目指しています。

こちらは、先日、1月5日に行われた収録の様子。


写真ではよくわかりませんが、研究室のテーブルに2台のマイクを設置し、モニターで、ゲームプレイ動画を流しながら、教職大学院生が「ホスト」となって、「ゲスト」の高芝先生にゲームで使用されている漢詩についてのお話しをお聞きしました。


今回、「ディレクター」兼「ホスト」となった教職大学院生は、『陽春白雪~Lirica』に登場する漢詩と、高等学校国語教科書に登場する漢詩教材とを読み比べたり、高芝先生が学部生向けに開講されている漢詩人についてのレクチャー動画を観たり…たくさんの「教材研究」を重ねて、収録のためのシナリオを作成。

ゆるゆるとお話を聞いていく「ゲームさんぽ」とはテイストの異なる動画になりそうですが、それはそれで、どんな動画になるのかとても楽しみです。

作成された動画は、3月下旬頃、公開予定です。
乞うご期待ください。